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信用取引で高配当株・ETFを長期保有するのはアリ?「手取りマイナス」の罠と本来の活用法

資産運用
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「配当金がもらえるなら、信用取引でレバレッジをかけて買えば効率がいいのでは?」 そう考えたことはありませんか?

実は、1489(日経高配当50)などの高配当ETFを信用取引の「一般無期限」で長期保有すると、金利や税金の関係で手取りがマイナスになるリスクがあります。

この記事では、なぜ高配当銘柄の信用保有が危険なのか、そして「そもそも信用取引は何のために存在するのか」を、投資の基本に立ち返って解説します。

ピナオズ
ピナオズ

私自身の投資スタイルは「余剰資金はすべてオルカン、高配当株は現物で」という守りの姿勢を貫いています。信用取引の「譲渡所得」扱いの複雑さやコストを考えると、アルバイトでコツコツ貯めた大切な資金を投じる先としては、やはり「NISA枠での現物保有」が最強の最適解だと再確認しました。


信用取引で高配当株を長期保有してはいけない3つの理由

信用取引は、証券会社から「お金を借りて」株を買う仕組みです。長期保有には以下のコストが重くのしかかります。

金利(買い方金利)による利益の浸食

お金を借りる以上、年率2.1%〜3%程度の金利が発生します。配当利回りが3%あったとしても、金利でそのほとんどが消えてしまいます。

「配当落調整金」による税制上の不利と「譲渡所得」の落とし穴

信用取引で買いポジションを持っていると、配当金の代わりに「配当落調整金」を受け取れます。しかし、ここには現物株にはない税制上の大きな罠が潜んでいます。

「配当所得」ではなく「譲渡所得」扱いになる

現物株の配当金は「配当所得」ですが、信用取引の配当落調整金は「譲渡所得(株の売却益と同じ扱い)」に分類されます。これにより、以下のデメリットが発生します。

  • 配当控除が受けられない:現物株(国内株)であれば、確定申告をすることで所得税の一部が戻ってくる「配当控除」が使えますが、配当落調整金は対象外です。
  • 「二重課税」のようなコスト増:配当落調整金は、もともと企業が支払う配当金から所得税相当額(約15.315%)が差し引かれた状態で証券会社から支払われます。ここからさらに、自身の特定口座(源泉徴収あり)などで他の利益と相殺される際、実質的なコスト負担が重くなる構造になっています。

管理費などの諸経費

1ヶ月ごとに発生する管理費や、名義書換料などのコストがかかります。これらは数円〜数百円単位ですが、長期になるほどバカになりません。


ここまでの3つの理由を表にまとめると、以下のようになります。

項目現物株(配当金)信用取引(配当落調整金)
所得の種類配当所得譲渡所得
配当控除利用可能(節税できる)利用不可
税率約20%約20%(ただし支払時に既に15%引かれている)
損益通算他の株の負けと相殺可能他の株の負けと相殺可能
諸経費(管理費など)かからない名義書換料などが発生

現物株と信用取引の手取りシミュレーション

具体的にシミュレーションしてみましょう。以下の条件であると仮定します。

  • 年間配当金(税引前): 60万円(5万円/月)
  • 想定配当利回り: 4.0%
    • これにより、必要な株の購入額(元本)は 1,500万円 となります。
  • 信用金利: 年率2.8%
    • 主要ネット証券の「一般信用(無期限)」の標準的な金利です。
  • 口座区分: 特定口座(源泉徴収あり)
    • 信用取引の配当落調整金は、他の損益と相殺しない単独ケースとして計算。

【比較表:現物 vs 信用(年間配当60万円の場合)】

項目現物取引信用取引(無期限)備考
① 受け取るお金配当金
600,000円
配当落調整金
508,110円
信用では支払時に約15%が既に引かれています。
② 税金▲121,890円▲103,222円現物は配当所得、信用は譲渡所得として約20%課税。
※信用の税金は①の受取額に対して掛かります。
③ 支払金利
(年率2.8%)
0円▲420,000円1,500万円借りた場合の1年間のコストです。
④ 最終手取り478,110円▲15,112円(赤字)信用取引はずっと持っているだけでマイナスになります。
実質利回り約 3.2%マイナス

この表から分かる残酷な現実は以下の2点です。

  1. 二重課税の罠:信用取引の「①受け取るお金」を見てください。本来60万円もらえるはずが、受け取り時点で約50万円に減っています。さらにそこから「②税金」が引かれるため、税負担だけで実質30%以上持っていかれています。
  2. 金利の破壊力:高配当株(利回り4%)を持っていても、金利(2.8%)を払えば差引1.2%しか残りません。そこへ重い税金がかかるため、「手元に残る利益」は完全に消滅し、むしろ1.5万円の持ち出し(赤字)になってしまいます。

結論として、「同じ銘柄を同じ期間持っていたとしても、信用取引というだけで手残りが減る」のが、高配当投資における信用取引の致命的な欠点です。


なぜ「信用取引」という仕組みが存在するのか?

「長期投資に不向きなら、何のためにあるの?」という疑問が湧きますよね。信用取引は本来、以下のような目的のために作られたシステムです。

短期・中期での資金効率(レバレッジ)向上

手元資金の約3.3倍の取引ができるため、数日から数ヶ月の短期スパンで「値上がり益(キャピタルゲイン)」を狙う投資家にとっては強力な武器になります。

「空売り」によるリスクヘッジ

相場が下がると予想した際に「売り」から入れることで、株価下落局面でも利益を出したり、保有株の値下がり損を相殺(ヘッジ)したりできます。

市場の流動性を高める

売り買いが活発になることで、投資家が「買いたい時に買える、売りたい時に売れる」という市場の健全性を保つ役割を果たしています。


長期投資家が信用取引を活用できる「唯一の場面」とは?

基本的には現物投資が推奨されますが、限定的なシーンではメリットがあります。

  1. 現引(げんびき)前提の一時利用 「今すぐ買いたいが、現金が手元に届くのが数日後」という場合、一旦信用で買って、入金後に「現引」して現物株に切り替える方法です。
  2. 株主優待クロス 優待は欲しいが株価下落リスクを避けたい時に、買いと売りを同時に行い、手数料だけで優待をゲットする手法です。

まとめ:高配当株は「現物」が鉄則!

信用取引は「お金を借りてレバレッジをかける道具」であり、「資産をじっくり育てる箱」ではありません。

特に高配当株・ETFの魅力は、複利の力と税制優遇(NISAなど)を最大限に活かすことにあります。金利という「確実なマイナス」を背負ってまで行う長期投資は、本末転倒と言わざるを得ません。

「オルカンをコア(核)にし、余剰資金で高配当株を現物保有する」

この基本のスタイルこそが、着実に資産1,000万円を目指すための最短ルートと言えるでしょう。

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